【10月22日 AFP】韓国は21日、重さ1.5トンの模擬人工衛星を搭載した初の純国産宇宙ロケット「KSLV-II」、通称「ヌリ号(Nuri)」を打ち上げた。だが、文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領は、模擬衛星の軌道投入には失敗したと発表した。

 韓国は宇宙先進国の仲間入りを目指しており、成功すれば世界で7例目だった。文氏によると、打ち上げと3段階の切り離しには成功し、衛星を搭載する先端部の切り離しもうまく行ったが、「模擬衛星の軌道投入は未成功のままに終わった」という。

 高興(Goheung)の打ち上げ場から炎を上げながら上昇したヌリ号は、数分以内に当初の目標高度600キロに達した。

 ヌリ号は3段式で、10年をかけ2兆ウォン(約1940億円)を投じて開発された。重量200トン、全長47.2メートルで、液体燃料のエンジン6基を備える。

 韓国の宇宙開発計画はトラブルの連続だった。2009年と2010年に一部ロシア製のロケットで初の打ち上げを目指したが、2回とも失敗に終わった。2010年は打ち上げの2分後にロケットが爆発し、韓国、ロシア間で非難合戦が起きた。

 2013年には打ち上げに成功したものの、1段目のエンジンはロシア製だった。

 映像は韓国航空宇宙研究院(KARI)が21日撮影・提供。(c)AFP