【10月22日 AFP】(更新)欧州諸国は20日から21日にかけ暴風雨に見舞われ、ポーランドで4人が死亡したほか、ドイツ、フランス、オランダなどでも大きな被害が出ている。

「オーロール(Aurore)」と名付けられた暴風雨は20日夜、フランス上空を西から東に向け通過。最大風速は約48メートルに達し、2番目に高い警戒レベルであるオレンジ警報が多くの地域に発出された。

 フランスでは停電が25万世帯で発生し、約4000人の技術者が復旧作業に動員された。21日夜の時点でも4万世帯で停電が続いている。西部ブルターニュ(Brittany)地方では、鉄砲水により複数の家屋が倒壊。国内の鉄道各線では倒木が線路をふさぐなどの被害が数百件報告されている。

 暴風雨はその後ドイツに移動。同国では「イグナッツ(Ignatz)」と呼ばれ、約27メートルの強風を引き起こした。ドイツ東部では、ザクセン(Saxony)、ザクセン・アンハルト(Saxony-Anhalt)、テューリンゲン(Thuringia)の3州を中心に約5万世帯が停電した。

 隣国のオランダでは小規模な竜巻が複数発生し、4人が負傷したと伝えられている。オランダ放送協会(NOS)によると、KLMオランダ航空(KLM Royal Dutch Airlines)では暴風と滑走路整備のため、60便以上が欠航した。

 ポーランドの死者はいずれも南西部ドルヌィ・シロンスク(下シレジア、Lower Silesia)県で発生。ワゴン車が路上から吹き飛ばされて1人が死亡、建設中の住宅の壁が崩れ建設業者1人が死亡したほか、ウロツワフ(Wroclaw)で乗用車が倒木の下敷きになり2人が死亡した。

 チェコでは27万世帯が停電したほか、道路や線路への倒木により交通網が混乱した。(c)AFP