【10月22日 AFP】インドネシアの裁判所は18日、多数の犬を袋に入れ、餌や水を十分に与えず死なせたとされる犬肉業者の男(48)に対し、禁錮10月と罰金1億5000万ルピア(約120万円)を科す画期的判決を下した。犬肉食は「残虐」だとして禁止を訴えてきた動物愛護団体は判決を歓迎している。

 男は、犬78匹を麻袋に押し込み、ピックアップトラックの荷台に載せて輸送したとして、動物虐待防止法違反の罪で起訴されていた。犬は、食用として販売される予定だった。

 ジョクジャカルタ(Yogyakarta)市近郊クロンプロゴ(Kulon Progo)裁判所の関係者によると、警察は今年5月に男の車を制止した際、十分な餌と水が与えられずに死んだ犬10匹を発見。その後、さらに6匹が死んだという。

 同裁は21日、AFPに対し「この種の事件での起訴は初」と説明した。

 犬肉取引禁止を長年訴えてきた「ドッグ・ミート・フリー・インドネシア(Dog Meat Free Indonesia)」は、今回の判決について「違法と知りながら事業を行っている業者に対し、このような取引は容認されないという強いメッセージを送るものだ」として歓迎した。

 インドネシアでは、犬は不浄な動物だという考え方が強く、ペットとして飼われることはまれである一方で、一部では犬肉が美味としてたしなまれている。アジアではこの他にも、犬肉を安価なタンパク源として今も食している地域がある。(c)AFP