【10月21日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が次期駐中国大使に指名したニコラス・バーンズ(Nicholas Burns)元国務次官は20日、上院外交委員会の指名承認公聴会で、中国を攻撃的で信頼できないと非難し、同国の侵略に備えて台湾の防衛力を強化することが米国の優先事項だと主張した。

 民主、共和両党の歴代政権で外交官として活躍してきたバーンズ氏は率直に意見を述べ、中国軍機が台湾の防空識別圏(ADIZ)進入を繰り返している事態を「とりわけ好ましくない」問題と呼んだ。「(台湾問題に関しては)中国を全く信頼できない」として、「わが国の責任は、台湾を手ごわい存在にすることだ」と述べた。

 さらに、「(中国政府は)ヒマラヤ(Himalayan)地方で長い国境を接するインドに、南シナ海(South China Sea)でベトナムやフィリピンなどの国々に、東シナ海(East China Sea)で日本に侵略行為を仕掛けている」と非難し、オーストラリアやリトアニアに対しても圧力を強めていると指摘した。

 中国の国内問題については、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でのジェノサイド(集団殺害)、チベット自治区(Tibet Autonomous Region)における人権侵害、香港の自治と自由への抑圧をやめなければならないと訴えた。

 一方で、中国の力を過大評価したり、米国の力を過小評価したりしてはならないと主張した。「中国には友好国がほとんどない。真の同盟国は存在しない」として、「必要なのは、米国が強い国であるという自信だ」と述べた。(c)AFP