【10月20日 AFP】ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill and Melinda Gates Foundation)は20日、新型コロナウイルス経口薬「モルヌピラビル(Molnupiravir)」の低所得国での普及促進に、最大1億2000万ドル(約137億円)を投じると発表した。

 同財団は、米マイクロソフト(Microsoft)共同創業者のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏と元妻のメリンダ(Melinda Gates)氏が創設した。

 米製薬大手メルク(Merck)は、自社が開発したモルヌピラビルは新型コロナに感染して間もない患者が服用することで入院リスクを半減する他、死亡リスクの軽減にも効果があるとしている。

 ゲイツ財団の資金は、特にインドでのメルク以外の企業によるジェネリック薬の生産増強に使われる。

 同財団は投資について、新型コロナに関する研究開発や規制当局への働きかけ、危機的状況にある製造・配送を支援することで、ワクチンや治療、検査を普及させてきたこれまでの取り組みをさらに発展させるものだとしている。

 新型コロナワクチンの確保が難しい国にとって、モルヌピラビルが感染予防において重要な役割を果たす可能性がある。

 米食品医薬品局(FDA)は現在、米国内でのモルヌピラビルの緊急使用について検討中だ。

 メルクは、年内に1000万人の治療に十分なモルヌピラビルを生産できるとしている。

 だが、最初に富裕国に行き渡り、低所得国では奪い合いとなったワクチンと同じ道をたどる可能性も指摘されている。(c)AFP