【10月22日 CNS】国務院新聞弁公室は10日、「中国の生物多様性保護」白書を発表し、記者会見を行った。「生物多様性条約(CBD)」に最も早く署名し、批准した締約国の一つとして、中国は一貫して生物多様性保護を高度に重視し、生物多様性保護が時代とともに前進し、革新的な発展を絶えず推進し、著しい効果を得て、中国の特色ある生物多様性保護の道を歩んできた。

 中国が絶えず自然保護地の建設を推進し、国家公園体制の試行を開始し、国家公園を主体とする自然保護地体系を構築する。率先して国際的に生態保護赤線制度を提出・実施し、生物多様性保護優先区を明確にし、重要な自然生態系と生物資源を保護し、重要な種生息地の維持に積極的な役割を果たしてきた。中国はすでに各級・各類の自然保護地を1万か所近く設立しており、陸域国土面積の約18%を占め、陸地生態系類型の90%、国家重点保護野生動植物種の71%が効果的な保護を受けている。ジャイアントパンダの野外種数は40年間で1114頭から1864頭に増え、トキは発見当初の7頭から現在の野外種と人工繁殖種の総数は5000頭を超え、アジアゾウの野外種数は1980年代の180頭から現在の300頭前後に増えた。海南テナガザルの野生種数は、40年前に10匹未満の2群だったのが、35匹の5群に増えた。

 同白書は次のように指摘している。中国は絶滅危惧種救済プロジェクトを実施し、一部の絶滅の危機にひんしている希少野生動物に対し緊急保護を行い、人工繁殖を通じて種を拡大し、最終的に自然への返還を実現した。人工繁殖ジャイアントパンダの数は急速で質の高い成長を見せ、その脅威度のレベルは「絶滅危惧種」から「危急種」に引き下げられ、野外での帰還を実現し、野生種に溶け込ませることに成功した。かつて野外から姿を消したシフゾウは北京市南海子(Nanhaizi)、江蘇省(Jiangsu)大豊区(Dafeng)、湖北省(Hubei)石首市(Shishou)にそれぞれ3大保護種が作られ、その総数はすでに8000頭を超えている。

 白書によると、中国は一連の生態保護修復プロジェクトを実施し、その取り組みを絶えず強化し、山水林田湖草砂氷の一体化保護とシステム管理を統一的に推進した結果、生態系の悪化傾向はほぼ抑制され、自然生態系は全体的に安定の中で好転している。

 中国の森林面積と森林蓄積量は30年連続で「ダブル成長」を保ち、世界で最も森林資源が増加した国となっている。荒漠化と砂漠化した土地面積は3つの観測期間に連続で「ダブル減少」を達成し、草原の総合的な植生被度は56.1%に達し、草原の生態状況は引き続き好調だ。2016年から2020年の間に、累計で整備・修復された海岸線は1200キロメートル、浜海湿地は2万3000ヘクタール。2000年から2017年までに世界で新たに拡大した緑化面積のうち、約25%が中国からのもので、寄与率は世界第1位となっている。

 白書は、中国は「生物多様性条約」およびその議定書を積極的に履行し、関連条約の相乗効果を促進し、大国の責任感を示し、世界の生物多様性の保護とガバナンスのプロセスにおいて重要な役割を果たしていると指摘している。

 ここ数年、中国は地球環境ファシリティ(GEF)への寄付を継続的に強化し、GEFの最大の発展途上国資金拠出国となり、世界の生物多様性保護を強力に支持してきた。中国は多国間主義を堅持し、世界の生物多様性の保護とガバナンスの力を結集する。「一帯一路(Belt and Road)」「南南協力」などの多国間協力メカニズムに頼り、発展途上国の生物多様性保護のために支援を提供し、地球生命共同体の構築に努力する。(c)CNS-北京日報/JCM/AFPBB News