【10月20日 AFP】餌の量を減らすだけでなく、与える回数を減らすことで、マウスの健康を向上させ、生存期間を延ばす効果がみられたとする研究論文が18日、発表された。

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 科学誌「ネイチャー・メタボリズム(Nature Metabolism)」に掲載された論文によると、1日当たりの摂取カロリーと給餌回数を変えた結果、カロリーと回数を減らしたマウスは、通常通りに餌を与えたマウスよりも、生存期間が約半年延びた。

 給餌が1日に1回だけのマウスには優れた代謝適応も見られた。

 米ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)のダドリー・ラミング(Dudley Lamming)氏率いる研究チームは、マウスを複数のグループに分けて研究を行った。それぞれのグループに異なる量と回数の餌を与え、通常の餌を無制限で食べることができた対照群と比較した。

 このうちの二つのグループは、1日当たりの摂取カロリーが通常よりも30%低くなるよう餌の調整が行われた。片方のグループには低カロリーの餌が与えられ、終日好きなだけ食べることができた。もう一方のグループは、通常カロリーの餌を食べることができたが、給餌回数は1日1回に限定され、空腹の時間が21時間設けられた。

 研究によると、21時間の空腹を強いられたマウスは、対照群のマウスと比べて、約半年長く生きた。

 一方、低カロリーの餌を終日食べられたマウスは、対照群のマウスよりも若干短命だった。摂取カロリーを抑えたにもかかわらずだ。

 ラミング氏は、カロリー制限の効果を得るには、空腹の時間を設けることが重要だと言う。

 さらに別のグループには、対照群のマウスと同量の餌を3時間で食べさせ、その後1日の空腹期間を設けた。

 摂取カロリーを減らさず空腹の期間を設けたこのグループは、摂取カロリーを抑えつつ空腹時間を設けたグループと同程度の健康効果が示された。ただ、生存期間については比較できていない。

 ラミング氏は「(両グループとも)血糖値の調整と代謝適応に優れていた」と説明する。

 人の場合はどうだろうか。ラミング氏は、人が食べ物の摂取を1日のうち4~8時間の枠内に制限することについて、短期的な研究では「一定の効果があるように思える」とした。ただ、長期的な影響についてはまだよく分かっていないとしている。(c)AFP/Natalie HANDEL