【10月19日 AFP】エチオピア北部ティグレ(Tigray)州で続く政府軍とティグレ人民解放戦線(TPLF)との紛争で、政府軍は18日、同州の州都メケレ(Mekele)を空爆し、地元病院関係者によると子ども2人を含む少なくとも3人が死亡した。

 政府は当初、空爆があったとの情報を「全くのうそ」と否定していたが、国営メディアは後に、空軍がTPLFを空爆したことを認めた。

 エチオピア北部での紛争はほぼ1年にわたり続いているが、メケレ空爆は初期を最後に実施されていなかった。TPLFは、政府軍が「大敗」しており、空爆はその報復として民間人犠牲者を出すために行われたと主張。一方で国営メディアは、空爆の標的はTPLFが使用するメディア・通信機器で、「民間人の犠牲を防ぐ措置が成功裏に取られた」と報じている。

 現地の住民や人道支援関係者、外交官がAFPに伝えたところによると、最初の空爆はメケレ郊外のセメント工場近くで行われた。2回目はメケレ中心部で行われ、TPLFの幹部が頻繁に利用しているプラネットホテル(Planet Hotel)付近が攻撃を受けた。

 同国軍は昨年11月、ティグレ州の元与党であるTPLFに対する軍事作戦を開始。一時はメケレを奪取したが、TPLFは今年6月、同市を奪還していた。アビー・アハメド(Abiy Ahmed)政権はこのところ、TPLFに対する新たな攻勢に出ているとみられる。

 ティグレ州では、今回の紛争により膨大な数の死者と深刻な人道危機が生じている。国連(UN)は、数十万人が飢饉(ききん)に近い状況に置かれていると指摘しており、今回の空爆による民間人への影響と戦闘の激化についても懸念を表明した。(c)AFP/Robbie Corey-Boulet