【10月19日 Xinhua News】急速に進化する情報技術(IT)が、中国の交通運輸業界における二酸化炭素(CO2)排出削減に新たな変化をもたらしている。

 推計によると、社会全体でのCO2排出量の約10%は運輸部門で、同部門の80%以上を陸上輸送が占めている。

 貴州省(Guizhou)貴陽市(Guiyang)に本社を置くトラック配車サービス会社、満幇集団(フル・トラック・アライアンス・グループ)は、国内300以上の都市で事業を展開している。同社は20年からビッグデータを活用して、ドライバーと顧客の速やかなマッチングを実現、空車率と燃料消費を効果的に抑え、33万トンのCO2排出削減を達成した。

 民間航空業界もCO2削減に力を入れている。例えば、航空機が着陸する際、車輪を出すのが早すぎると大きな空気抵抗が生じてより大きな燃料消費が必要となり、逆に遅すぎると安全上の問題が生じる。そこで中国南方航空集団はビッグデータを活用し車輪を出すのに最適な高度を導き出した。このほかにも離陸、巡航、下降などで燃料を節約できるポイントを19カ所洗い出し、飛行の全プロセスにおいて高精度な管理を実現した。一連の措置により、2018~20年に同社が節約した燃料は12万7千トン。これは40万1千トン分のCO2排出削減量に相当する。

 中国スマート交通協会によると、2011~20年の中国スマート交通の市場規模は420億元(1元=約18円)から1685億元に拡大した。交通運輸部計画研究院の譚暁雨(Tan Xiaoyu)高級工程師(シニアエンジニア)は「ビッグデータなどデジタル技術を運輸部門に活用することで、運輸システム全体を効率化し、エネルギー消費とCO2排出の削減を積極的に促進している」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News