【10月18日 Xinhua News】中国の北京航空航天大学は、アジア太平洋宇宙協力機構の「小型学生衛星-1(APSCO-SSS-1)」を14日午後6時51分(日本時間同7時51分)に山西省(Shanxi)の太原衛星発射センターから運搬ロケット「長征2号丁遥53」を使って打ち上げたと発表した。

 同校の関係責任者によると、衛星は国内外の大学生が中国の航空宇宙プロジェクト管理プロセスと標準を採用して初めて製造した30キロ級の超小型衛星で、システムの設計と開発は同校の教員と学生が担当した。同校が主導するアジア太平洋宇宙協力機構小型学生衛星プロジェクトの主衛星でもある。

 衛星の大きさは350×350×700ミリで、重さは36キロ。高度517キロの太陽同期軌道を飛行する。開発過程では、パキスタンやペルーなど複数の国の大学生が、衛星のサブシステム設計やEM(エンジニアリングモデル)の開発、結合テスト、プロトタイプの共同デバッグなどに参加した。今回の打ち上げミッションでは、コイル状の伸展アーム機構の展開技術やADS-B受信機の性能を検証するほか、リモートセンシングによる画像生成も行う。

 アジア太平洋宇宙協力機構は、アジア太平洋地域の国々への技術協力プラットフォームの提供を目的に2008年に設立され、本部を北京に置く。宇宙空間の平和利用に関するガイドラインに基づき宇宙科学、宇宙技術およびそれらの応用分野で多国間協力を実施するほか、技術研究開発と応用、教育、訓練、資源共有などの面で発展途上国の宇宙開発能力建設を強化し、地域の経済・社会の持続可能な発展を促進している。(c)Xinhua News/AFPBB News