【10月21日 People’s Daily】ドイツ首都ベルリン市の中心部、ミッテ区にある5階建ての小さな建物の前にこのほど、大勢の人々が集まっていた。中国の吉利自動車(Geely Automobile)の高級ブランド、リンク(Lynk)の体験店を訪れた人々である。吉利は最近一年、欧州で4つの体験店をオープンした。

「新ブランド、リンク01の第一陣が2月に欧州で売り始めた。わずか半年で5944台を販売した」と、吉利自動車の関係者は語った。

 中国自動車工業協会の統計によると、今年8月の自動車輸出台数は18万7000台で、前年同期の1.6倍になった。1〜8月の自動車輸出台数は189万台で、前年同期の1.3倍となった。国家統計局が発表したデータによると、中国の1~8月の自動車の輸出総額は1377億元(約2兆4100億円)で、前年同期と比べて111.1%増となった。

 自動車の輸出総額が倍増した背景には、中国の自動車産業には強い産業チェーン・サプライチェーンのサポートがあったからだといわれる。

 重慶市(Chongqing)江北区(Jiangbei)にある長安自動車(China Chang’an Automobile Group)のAI工場で、関係者とAIが忙しく動き回っていた。責任者の説明によると、今年8月には長安自動車の輸出台数が1万2千台を超えた。今年1~8月の総輸出台数は8万6千台に達し、前年比162%伸びたという。

 今年9月、吉利控股集団は第4回中国品質賞にノミネートされた。これに先立ち、吉利は、国際自動車規格協力組織の国際自動車作業チームの10番目のメンバーとなった。アジア初のメンバーとして、吉利は他の9つの国際自動車グループや欧米の自動車協会とともに、国際的な品質基準の策定にこれから参加する。

 中国品質賞にノミネートされ、そして、国際的品質基準の策定に参加できることは、中国の自動車技術の品質が国際基準に達したことを証明している。

「新エネルギー、AIコネクテッド分野の技術の優位性は、上海自動車集団(SAIC)の海外市場における差別化を図る競争力となっている」とSAICの関係者が語った。その傘下にあるMGブランド自動車は、欧州で1~8月の新エネルギー車販売台数は、前年比133%増の1万9000台近くに達した。タイ、インド、インドネシアなどの新興市場では、AIコネクテッドシステムが消費者に好評で、30以上の海外モデルに採用され、これまで実際に活用したユーザーは13万人以上に達したという。

「中国の新エネルギー自動車の保有台数は世界の約50%を占め、コネクテッドカーの普及率は15%を超えており、中国の自動車産業は新エネルギーとAIコネクテッドにおいて、すでに先行優位性を持っている」と、中国自動車工業協会の柳燕(Liu Yan)副秘書長はこのように強調した。(c)People’s Daily/AFPBB News