【10月20日 People’s Daily】11日に中国雲南省(Yunnan)昆明市(Kunming)で開幕した国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)に合わせ、中国の国務院新聞弁公室は「中国の生物多様性保護」白書を発表した。陳文俊(Chen Wenjun)報道官は「これはわが国が生物多様性について初めて発表する白書となる。中国の生物多様性に対する理念や重要施策、その成果を紹介し、多国間主義や国際的協力の実践を伝えている」と強調した。

 生物多様性条約にいち早く署名、批准した国の一つである中国は、生物多様性の保護を国家戦略として重視してきた。修正野生動物保護法や環境保護法など20以上の法律を制定。国立公園をはじめ各種の自然保護を1万か所近く設立し、その面積は国土の18%に及ぶ。政府は第13次5か年計画(2016~2020年)の期間中に500億元(約8850億円)を投入し、中国西部の祁連山脈や北部の賀蘭山脈などの重要生態エリアで25件の生態保護・修復プロジェクトを試行し、長江経済ベルトや黄河流域などで廃鉱の処理を行った。全国で実施した鉱山の復旧・処理は約27万ヘクタールに達する。 自然資源省の張占海(Zhang Zhanhai)報道官は「今年は第14次5か年計画(2021~2025年)における陸地の自然保護・修復プロジェクト10項目と海洋生態系修復プロジェクト15項目を開始した」と話した。

 生物多様性に関する研究データや各国が取り組む「愛知目標」の達成状況をまとめた「地球規模生物多様性保護概況」第5版は、中国の貴重な経験に繰り返し言及している。 生態環境省の趙英民(Zhao Yingmin)次官は「中国は愛知目標の達成に向けて積極的な成果を上げており、全体状況は世界平均を上回っている」と説明。「愛知目標」の20項目のうち3項目は予想以上の進展を遂げ、13項目で重要な進展があり、4項目は段階的成果を上げた。

 COP15では「ポスト2020生物多様性枠組み」を議論し、過去10年の生物多様性保護の実施状況を総括する。「新しい目標を合意するためには、愛知目標を通じた経験と教訓を十分に生かすべきだ」と趙次官は指摘。生物多様性保護の精神を高めると同時に、地に足を付けた現実的な目標であることや、各国の発展の違いに考慮する必要性があるとした上で、「公平性や透明性、当事者主導の原則を守り、発展途上国が目標を達成するため科学技術移転を強化し、ウィンウィンの関係を推進することが必要だ」と呼びかけている。(c)People’s Daily/AFPBB News