【10月18日 People’s Daily】国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)が11日、中国雲南省(Yunnan)昆明市(Kunming)で開幕した。会議のテーマ「生態文明(エコ文明):共に地球生命共同体を構築する」は、中国が国際社会と協力して地球規模の生態文明を構築し、人類と自然が調和した共存を促進するという決意を反映している。

 中国は人類の長い文明史を教訓とし、自然を尊重し、保護し、共存していく道を目指している。生態文明の理念を通じた発展を提唱し、中国の経済・社会発展の過程と生態文明を統合するよう努めている。国連環境計画(UNEP)が中国の生態文明概念を促進するための決定案を推奨し、報告書「緑の山河こそ宝の山:中国の生態文明戦略と行動」を発表したことや、ラオス天然資源環境省が「緑の山河こそ宝の山」をスローガンに採用したことは、中国の生態文明概念が世界的に評価されてきていることを示している。国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の気候行動ハイレベルチャンピオンであるナイジェル・トッピング(Nigel Topping)氏は「生態文明という概念は、詩のように美しい独特な中国からの贈り物だ」と述べている。

 中国は全面的な小康社会(ややふとりのある社会)実現を目指す「五位一体」構想の中で、「経済建設」「政治建設」「文化建設」「社会建設」とともに「生態文明建設」を組み込み、憲法にも生態文明を盛り込んだ。実際、中国における生態環境保護は歴史的な成果を上げている。過去10年間で国内の森林資源は7000万ヘクタール以上増加し、世界1位となった。大規模な砂漠化防止プロジェクトを実施し、「砂進人退(砂漠化が進み、人が追い出される)」と言われた地域が「緑進砂退(緑地化が進み、砂漠が後退する)」という環境に変わっている。陸地の生態系の90%と重点保護野生動物の85%が効果的に保護されている。米国立人文科学アカデミーのジョン・コブ・ジュニア氏は「中国が生態文明を構築することは、中国国民の幸福だけでなく、人類全体の持続可能な発展につながる」と語っている。

「中国は2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量をピークアウトさせ、2060年までにカーボンニュートラルを達成するために努力する。大変な努力が必要だが、最善を尽くす」。習近平(Xi Jinping)国家主席は9月の第76回国連総会一般討論のビデオ演説で、1年前に表明した2つの目標をあらためて強調した。第14次5か年計画(2021~2025年)期間中に、2つの目標と生態文明建設の構想を統合し、石炭消費量の増加を厳格に抑制する。CO2以外の温室効果ガスの管理を強化するモントリオール議定書キガリ修正案を正式に受け入れ、全国炭素排出権取引市場のオンライン取引を開始した。全体計画から具体的な対策まで、中国の実践的な「緑色(エコロジー)発展」は世界に重要なインスピレーションを与えている。 セルビアのアナ・ブルナビッチ(Ana Brnabić)首相は「急速な経済発展と環境保護を両立させた中国の経験は非常に重要である」とたたえている。

 中国は2020年末までに、100か国以上と生態・環境に関する国際協力を実施しており、60以上の国家・国際組織と生態・環境保護の協力に関する約150の文書に署名した。 気候変動に関する南南協力基金の設立や中国アフリカ環境協力センターの設立、中国主導の経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」の中での生態文明分野での協力など、多くの行動が国際社会から広く称賛されている。国連環境計画のインガー・アンダーセン(Inger Andersen)事務局長は「世界の生物多様性保全の状況を好転させるには、中国が深く関与する強力な多国間システムが鍵となる。中国は最近、発展途上国のエネルギーのグリーン化・低炭素化を強力に支援し、中国国外で新たな石炭発電プロジェクトを建設しないと発表している。国際社会はこの中国の姿勢について、より積極的な気候目標の達成に向けた扉を開くものと評価している」と説明。気候変動問題において中国が責任ある大国としてリーダーシップを果たしているとの認識を示した。

 生態文明の構築は人類の未来に関わる問題であり、地球を大きな「緑の家」にすることは人類共通の夢でもある。中国は今後も各国と手を携えて生態文明の基礎を築き、人と自然の生活共同体の構築に向けて突き進んでいく。(c)People’s Daily/AFPBB News