【10月24日 AFP】人間にとって宇宙は過酷な場所だ。最大の難題は、宇宙線と微小重力だ。

 微小重力は人体の機能に影響を与える。

 骨密度は1か月で1~1.5%低下する。地上にいる高齢者の1年間の減少幅に相当する。

 筋肉の量は短期間で最大20%ほど減少。

 心臓は萎縮する。地上よりも少ない力で血液を全身へ送り出すことができるからだ。

 体液が頭部に集まり、脳圧と眼圧は上がる。これは視力に長期的な影響を及ぼす可能性もある。

 動脈も影響を受け、わずか6か月で20~30年ほど老化することもある。

 腎臓結石も心配だ。尿に出るカルシウムが増えるからで、骨密度の低下にもつながる。

 背骨は最大で5センチほど伸び、椎間板がずれるリスクが高まる。

 地上の人間は大気によって宇宙線から守られているが、宇宙ではその脅威にさらされる。

 国際宇宙ステーション(ISS)での被ばく量は地上よりはるかに大きい。がん発症のリスクが上がり、血球数や免疫系も影響を受ける。

 宇宙滞在中の寂しさは精神に影響を及ぼし、ストレスを引き起こすこともある。

 到達に最長9か月かかる火星探査など、特に長期のミッションでは必要となる対応は多い。(c)AFP