【10月17日 AFP】英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は16日、中国が8月に極超音速ミサイルの発射実験を行っていたと報じた。

 FTが複数の関係者の話として伝えたところによると、中国が8月に打ち上げた極超音速ミサイルは核弾頭搭載が可能で、低空で地球を周回した後に地上に向かって降下し、標的を30キロほど外して着弾した。

 関係者は、ミサイルが長征(Long March)ロケットで打ち上げられたと話している。長征の打ち上げは通常一般に公表されるが、8月の実験については公式な発表はなかった。

 極超音速兵器における中国の技術向上は「米国の情報当局を驚かせた」という。

 米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、報道の詳細についてはコメントを差し控えるとしながらも、「中国が追求している軍事能力についてはこれまでも懸念を示しており、このような能力は地域内外の緊張を増大させるだけだ。われわれが中国を一番の脅威と捉えている理由の一つだ」と述べた。

 中国、米国、ロシアの他、少なくとも5か国が極超音速技術の開発を進めている。極超音速ミサイルは従来の弾道ミサイルのように核弾頭の搭載が可能な上、音速の5倍以上の速さで飛行できる。

 極超音速ミサイルは弾道ミサイルと比べて標的に到着するまでの時間が短く、機動性が高いため追跡や迎撃が難しい。(c)AFP