【10月16日 AFP】ロシア政府は15日、日本海でロシア領海を侵犯しようとした米軍艦を阻止したと発表した。しかし、米政府はロシア側の主張を否定している。ロシアは日本海で中国と海上合同軍事演習を行っていた。

 ロシア国防省は、数日前から日本海で活動していた米海軍の駆逐艦「チェイフィー(USS Chafee)」が現地時間15日午後5時ごろ、「ロシア領海に接近し、国境を越えようとした」と指摘した。ロシアの駆逐艦「アドミラル・トリブツ(Admiral Tributs)」が警告したが、チェイフィーは無視して「ロシア国境を侵犯しようとする行動を取った」という。

 さらに「アドミラル・トリブツが国際的な航行規則に基づいて行動し、ロシア領海から侵入者を退去させる針路を設定した」ところ、チェイフィーはアドミラル・トリブツまで60メートルに迫ったところで旋回して引き返したとしている。

 一方の米海軍は、ロシア側の主張を「虚偽」だと否定している。

 米海軍は、チェイフィーが「日本海の国際水域で通常活動を行っていた」際、ロシアの駆逐艦が約60メートル先まで接近してきたと説明した。

「互いのやりとりは安全でプロフェッショナルなものだった」として、ロシア側からこの海域で演習を行っていると知らされたことは認めたが、通告は「やりとりをした時点ではされていなかった」と反論した。

 米海軍は、チェイフィーが国際法と国際慣習に従って活動していたとして、米国は今後も国際法にのっとって飛行、航行、活動を続けると主張している。(c)AFP