【10月15日 AFP】ツール・ド・フランス(Tour de France)史上最悪規模のクラッシュを引き起こし、数十人の選手を負傷させたとして起訴された観客のフランス人の女(31)に対する公判が14日、仏西部ブレスト(Brest)の裁判所で開かれた。検察は、執行猶予付き禁錮刑を求刑。被告は実刑を免れる見通しとなった。

 被告は今年6月に行われたツール・ド・フランス第1ステージの最中、テレビカメラに映ろうと、プラカードを掲げてコース上に身を乗り出した。結果、選手の一人が被告に衝突して落車し、後続の選手も次々と巻き込まれた。被告に対しては事故後、インターネット上で中傷が相次いでおり、その身元は公表されていない。

 青いセーターを着た被告は、待ち構えていた報道陣を避けながら裁判所に出頭。弁護側は非公開の裁判を求めていたが、認められなかった。

 被告は人命を危険にさらした罪と過失傷害罪に問われており、最高で1万5000ユーロ(約200万円)の罰金と禁錮1年が言い渡される可能性があった。だが検察は、被告が後悔の念を口にし、自分の行為が「いかに危険だったか」を認識しているとして、執行猶予付き禁錮4月を求刑した。判決は12月9日に言い渡される。(c)AFP