【10月14日 AFP】南太平洋の小国パラオで新型コロナウイルスワクチン接種対象者の99%超が接種を完了し、世界で最も接種率が高い国の一つとなった。14日公表のデータで明らかになった。

 保健福祉省によると、人口約1万8000人のうち約1万5000人が接種を完了した。国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は、対象者の99%以上が接種を完了したことになるとしている。

 IFRCは、パラオのワクチン接種速度は「驚くべき」だとし、「接種率は世界でもトップクラスだ」と称賛した。ただ、南太平洋全体では国により接種率にばらつきがあると警告している。

 欧州では、英領ジブラルタル(Gibraltar)のワクチン接種率が119%に上っているが、これにはスペインからの訪問者が含まれている。

 パラオは新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)初期に国境を封鎖し、流行を抑制した数少ない国の一つだが、観光に依存していた経済は大打撃を受けた。

 8月には米領グアム(Guam)から到着した2人が陽性と確認され、感染者ゼロの記録は破られた。それ以降も海外からの入国者に数人の感染が確認されているものの、大規模な市中感染は発生していない。

 パラオは現在、3回目の接種に軸足を移しており、すでに500人以上が接種を終えている。(c)AFP