【10月14日 AFP】2001年に世界で初めて同性婚を合法化したオランダで、その権利がようやく王室にも適用されることになった。

 マルク・ルッテ(Mark Rutte)首相は12日、議会に提出した書簡で、王位継承者は同性と結婚しても継承権を放棄する必要はないとの判断を示した。

 オランダ王族の同性婚をめぐっては、憲法学者が最近出版した書籍で、王位継承権1位のアマリア王女(Princess Amalia、17)が女性と結婚した場合、理論上は王位継承権を剥奪されることになると指摘。議会はこれを受け、ルッテ氏に判断を求めていた。

 ウィレム・アレクサンダー国王(King Willem-Alexander)とマキシマ王妃(Queen Maxima)の長女であるアマリア王女は、この件を含め、私生活全般についてコメントしていない。オランダでは20年前から同性婚が認められているが、王族の結婚には議会の承認が必要とされる。

 ルッテ氏は一方で、同性婚をした王族の子どもが王位継承権を持つかどうかについては「もう少し複雑」だと言明。実際にそうした状況が生じた際に、政府と議会が改めて検討すればよいと述べた。

 国内の評論家は政府による今回の判断について、時代に沿ったものだと歓迎している。

 オランダ王室もまた、時代の変化への対応に努めてきた。アマリア王女は6月、年間160万ユーロ(約2億1000万円)の王室費受け取りを辞退。理由として、自分は本格的な公務を行っておらず、他の若者が経済的に困窮している中で王室費を受け取るのは「心地が悪い」と説明した。(c)AFP