【10月14日 AFP】米人気SFドラマ「スター・トレック/宇宙大作戦(Star Trek)」のジェームズ・T・カーク(James T. Kirk)船長役で知られるカナダ人俳優で、米宇宙開発企業ブルー・オリジン(Blue Origin)が13日に実施した宇宙旅行に参加したウィリアム・シャトナー(William Shatner)さん(90)は、地球に帰還後、「信じられない」体験だったと振り返った。

 実年齢よりも数十歳若く見えるシャトナーさんだが、90歳での宇宙飛行は史上最高齢となった。米テキサス州から打ち上げられた宇宙船は大気圏と宇宙との境を越え、11分間の飛行を終えて砂漠に無事着陸。ブルー・オリジン創業者ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏は、宇宙船から降りてきた乗客を出迎え、拍手とシャンパンで祝った。

 シャトナーさんは、宇宙での体験を思い起こし涙を見せた。ベゾス氏に、「想像できる限り最も深遠な体験を与えてもらった。今起こったことに感動で胸がいっぱいだ」と伝えた。

 ブルー・オリジンはこれに先立つ7月、ベゾス氏も参加した初の有人宇宙飛行を実施。黎明(れいめい)期にある宇宙旅行業界にとって、画期的な瞬間となった。

 シャトナーさんは、地球の青い空のすぐ外には「死」が広がっているとコメント。船内でブザーが聞こえた後、突然「暗闇に入った」と振り返った。またベゾス氏に対し、「リトル・グリーン・マン(宇宙人)とは無縁の体験だった」と冗談を飛ばした。(c)AFP