【10月13日 Xinhua News】中国香港特別行政区政府はこのほど、「香港気候行動計画(2050)」を発表し、気候変動に対応し、そのペースを緩める措置を実施するため、今後15~20年間で約2400億香港ドル(1香港ドル=約15円)を投じる方針を明らかにした。

 計画では「二酸化炭素(CO2)排出量ゼロ、居住に適した都市、持続可能な発展」とのビジョンを掲げ、香港の気候変動対策とカーボンニュートラル(炭素中立)達成に向けた戦略と目標が打ち出された。

 香港特区政府環境局の黄錦星(ウォン・カムシン)局長は発表会で、19年の香港最大のCO2排出源は発電(全体の66%)であり、次に運輸(18%)、廃棄物(7%)が続いたと説明。このため排出削減の取り組みをこの3分野に絞る必要があるとの見解を示した。今回発表された新たな計画には「発電部門のCO2実質排出量ゼロ達成」「省エネ・グリーン(環境配慮型)建設」「グリーン運輸」「市民の廃棄物削減」というCO2排出量削減に向けた四大戦略・措置が盛り込まれている。

 黄氏は、50年までのカーボンニュートラル達成は極めて大きな挑戦だとし、市民は日常生活におけるエネルギーの節約や廃棄物の削減、リサイクルなどを通じて低炭素な暮らしを実践できると助言した。また、社会各界と特区政府が力を合わせ、カーボンニュートラルの未来を切り開くことへの期待感を示した。

 香港特区政府は17年、「パリ協定」への対応として「香港気候行動計画2030+(プラス)」を発表。30年をめどに香港の炭素強度を05年の水準から65~70%引き下げるとの目標を打ち出した。これはCO2排出総量を26~36%削減するのに相当する。香港は気候変動ペースの減速を図るさまざまな措置を相次いで導入しており、30年までのCO2排出削減目標に向かって着実に前進している。19年の炭素強度は05年比で約35%下がったほか、20年の1人当たりのCO2排出量はおおまかな推計で、14年の6・2トンというピーク時の水準から約4・5トンにまで低減する見通しとなっている。(c)Xinhua News/AFPBB News