【10月12日 AFP】レバノンの主要な燃料貯蔵施設で11日、大規模な火災が発生した。火は数時間後に消し止められ、深刻な燃料不足が続く同国の人々の間では安堵(あんど)が広まった。

 国営通信社NNAなど現地メディアの報道によると、首都ベイルートの約50キロ南に位置するザフラニ(Zahrani)の施設で午前8時(日本時間午後2時)ごろ、軍が所有するガソリンタンクから出火した。死傷者が出たとの情報は今のところない。

 AFPカメラマンによれば、火は正午(日本時間午後6時)ごろに消し止められた。消防当局も報道陣に対し、鎮火を宣言した。

 施設責任者は、タンクを空にする作業中に火災が発生したと説明。「火が近くのタンクに燃え移っていたら大惨事になっていただろう」と述べた。同国エネルギー相によると、火災でガソリン約25万リットルが焼失。火災原因の調査が始まった。

 ザフラニの施設には、レバノンの燃料の15%が貯蔵されており、同名の発電所も併設されている。

 同国で発生している経済危機は1850年代以降に世界で起きたものの中でも最悪の部類に入り、ここ数か月は発電用の十分な燃料が輸入できない状況にある。国営発電所からの送電は1日1~2時間のみにとどまっており、多くの世帯は自家発電機の利用契約を結んでいる。(c)AFP