【10月12日 AFP】2022年サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)アジア最終予選で苦戦を強いられている日本代表の森保一(Hajime Moriyasu)監督は11日、危機的状況の中で迎える12日のオーストラリア戦に向けて、出場権獲得を諦めていない姿勢を示した。グループBでは現在オーストラリアが得失点差で首位に立って2位のサウジアラビアを抑えており、日本は自動的に出場権が手に入らない3位となっている。

 崖っぷちの中、埼玉スタジアム2002(Saitama Stadium 2002)で行われる豪代表戦に臨む日本は、ここまでの3試合で勝ち点3にとどまっており、1994年米国大会の後では初めてW杯の出場権を逃す可能性が現実味を帯びてきている。

 ホームで臨んだオマーンとの初戦で0-1とまさかの黒星を喫し、アウェーゲームとなった中国との2戦目では1-0で勝利。敵地ジッダ(Jeddah)に乗り込んだ7日のサウジアラビア戦では、散々なパフォーマンスで0-1で敗れた。

 前週に同一のW杯予選で11連勝という新記録を樹立したオーストラリアとの大一番で勝利を逃せば、指揮官の座を追われる可能性がメディア内でささやかれている森保監督は、「われわれが厳しい状況に置かれているということはもちろん承知している」と会見で認めた。

 続けて「しかしながら、W杯最終予選は全ての試合で厳しい試合の連続であることは最終予選の前から覚悟していたこと。まだまだわれわれ次第で巻き返せるチャンスはあるし、W杯出場権獲得のためにあす(12日)の試合で勝利を目指して戦うことだけを考えて臨みたい」と述べた。

 さらに、チームが身体面でのスピードアップに苦戦していることについて、「われわれがやりたいことと、その時にできることにはギャップがあるかもしれない」とした上で、オーストラリア戦では「試合の流れを読みながら、賢く戦えるようにしていく」必要があると語った。

「相手のストロングポイントを消していくところ、ウイークポイントを突いていくところは確認して試合に臨んでいる」という森保監督はまた、Jリーグ1部(J1)のサンフレッチェ広島(Sanfrecce Hiroshima)で元チームメートだったグラハム・アーノルド(Graham Arnold)監督が率いる豪代表について、「フィジカルの強さがあり、技術的にも優れているチーム」と分析した。

 一方、サッカルーズ(Socceroos、豪代表の愛称)は、新型コロナウイルスの渡航制限によりホームゲームをアウェーで戦うことを強いられているにもかかわらず、ここまでの3試合で全勝している。

 アーノルド監督は日本戦は引き分けでもいいと妥協するつもりはなく、チームに「最高のパフォーマンス」を期待しており、「われわれにできることは、自分たちのことに集中し、精神的にも身体的にもあすの試合に向けて準備万端にすることだ」と語った。

「われわれのフォーカスは、より自分たち自身にある。あすの夜は素晴らしい試合になると期待している」 (c)AFP