【10月12日 Xinhua News】中国では「Z世代」(1990年代後半から2000年代前半生まれの若者)を中心に、国産ブランドの人気が沸騰している。インターネット検索大手の百度(バイドゥ)が今年5月に発表した中国的要素を取り入れた「国潮」関連の検索ビッグデータによると、国産品に関する検索回数はここ10年で約6・3倍に増加した。21年の国産ブランド注目度は海外ブランドの3倍に上り、中でも携帯電話やアパレル、自動車、化粧品、食品、家電といった6分野で、国産品の人気が高まっている。

 動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」の電子商取引(EC)事業「抖音電商」の統計によると、8月1~18日に開催した販促イベント「抖音818新潮流・良品フェスティバル」では「国潮」商品が多くの消費者の人気を集め、売り上げは前年同期の5・4倍となった。売れ筋ランキングの7割以上が国産ブランドで、スポーツ用品分野では李寧(リーニン)、鴻星爾克(ERKE)、回力(WARRIOR)、安踏(アンタ)、貴人鳥(GRN)の5ブランドが上位5位を占めた。

  自動車業界データプラットフォーム「大捜車智雲」と百度のデータ分析ツール「百度指数」が共同でまとめた「2020年新エネルギー車(NEV)白書」によると、NEVの市場シェア上位10位のうち、国産ブランドのシェアは56・2%、海外ブランドは約12・2%だった。電気自動車(EV)販売データをまとめたブログ「EV Sales」のデータでは、20年の世界EV販売台数の上位3位は米テスラ(50万台)、独フォルクスワーゲン(22万台)、中国の比亜迪(BYD、18万台)となっている。

 ここ数年、産業チェーンの成熟や製造技術の高度化に伴い、斬新なデザインを取り入れたスタイリッシュな中国製の商品が頭角を現し、国産品に対して消費者が抱いていた「廉価」「低品質」という固定観念を打ち破った。一部の国産品は、ファッション界の「新鋭」にもなった。

「Z世代」を代表とする消費者グループは、国の発展を感じながら育ち、国産品への許容度が1970年代生まれや80年代生まれよりもはるかに高く、国産品消費をけん引する中核的な存在となっている。(c)Xinhua News/AFPBB News