【10月11日 CGTN Japanese】新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のカシュガル地区ヨプルガ(岳普湖)県バヤワト郷アヤゲマイ村海水稲実験基地では最近、広さ20ヘクタールの田んぼで海水稲の収穫が行われています。今年は1ヘクタール当たりの収穫量が、前年比410キロ増の8630キロに達しました。

 海水稲とは、耐塩性水稲とも呼ばれる塩・アルカリ性土壌に栽培される水稲の品種です。海水稲実験基地が位置するヨプルガ県は土壌の塩化とアルカリ化が厳しく、水素イオン濃度指数(pH)が7.8です(pHが7を超えることは、アルカリ性であることを示す)。また同県では耕地の90%で土壌の塩分濃度が1.5%であるために、「農業の砂漠」とみなされていました。

 中国工程院の袁隆平(Yuan Longping)院士(1929〜2021年)及び袁院士が手掛けた青島海水稲研究開発センターは2018年にアヤゲマイ村を中国初の塩類・アルカリ土壌改良実験基地の一つに指定し、海水稲の栽培試験に着手しました。それ以降、実験基地は多様化された灌漑(かんがい)方法を導入し、海水稲の品種を絶えず入れ替えました。試験田の土壌塩分は当初の1.7%から0.2%にまで下がりました。海水稲収穫が終わった後には、秋まきのコムギの栽培を改めて開始します。研究者はコムギの成長についての試験を行う予定です。

 新疆ウイグル自治区では海水稲やその他の作物の栽培によって、約133.3ヘクタールの土壌の改良が実現しました。クムル市(哈密市)とトルファン市(吐魯番市)を除いて、新疆ウイグル自治区では現在までに12の州と市で水稲栽培が可能になりました。2019年時点での新疆ウイグル自治区の水稲栽培面積は5万6920ヘクタールで、収穫量は51万6200トンに達しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News