【10月11日 AFP】ロシアで毒性の強いメタノール入りの密造酒を飲み死者が出た問題で、これまでに亡くなった人は34人に上った。当局は10日、アルコール飲料を食品と交換していると発表した。

 2100万人が最低生活水準以下で暮らすロシアでは、安価な酒の代用品による死者が後を絶たない。

 首都モスクワの南東約1500キロ、ウラル(Ural)山脈の南部に位置するオレンブルク(Orenburg)州では先週、67人が密造酒を飲んで倒れた。

 国営タス通信(TASS)が報じた地元当局の発表によると、うち34人が死亡した。

 検査の結果、倒れた人はメタノール入りの酒を飲んだことが分かった。メタノールはアルコール飲料に通常含まれているエタノールとは異なり、毒性が強く、少量を口にしただけでも失明の恐れがある。

 タス通信によると、密造酒がどれだけ流通しているか不明なため、当局はオレンブルク東部の住民を対象に、「質が疑われるアルコール飲料」と引き換えに地元スーパーマーケットの食品を提供している。

 交換される食品は「アルコール飲料の数倍」の価格だという。

 オレンブルク警察によると、州内の小売店や倉庫から密造酒とみられる瓶が大量に押収された。調査したところ、その多くにメタノールが混ざっていることが分かった。(c)AFP