男子に交じって練習する女性ゴーリー、夢は五輪出場 仏
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【12月24日 AFP】シャルロット・カジゴス(Charlotte Cagigos)は、アイスホッケー女子フランス代表を五輪出場に導くという高い目標を掲げている。そのために今、21歳の彼女はフランスのプロチームに所属する唯一の女性ゴールテンダーとして、アイスホッケーを学び直す日々を送っている。
カジゴスは、陽光の降り注ぐ地中海沿岸の都市モンペリエ(Montpellier)という、アイスホッケー向きとは言えない場所に生まれ、3歳のときに初めてスケートシューズのひもを結んだ。そして2022年北京冬季五輪まであと数か月となる今は、自身の肩にかかるものの大きさをひしひしと感じながら、練習に励んでいる。
仏北西部の都市カン(Caen)に拠点を置くドラッカース・ド・カン(Drakkars de Caen)に所属するカジゴスは、「一生懸命に戦わなくちゃならないし、アイスホッケーは男の子だけのスポーツじゃない。それを他の女の子たちに見せられるのは良いことだと思う」と話した。
シューズのブレードがリンクに小気味よいリズムを刻む中、カジゴスはゴールの前に立ち、チームメートのショットを受けていく。仲間たちは当初、遠慮して力を抑えたショットを打ち、同僚のエマニュエル・アルバレス(Emmanuel Alvarez)も「初めは女性がゴールを守っているのを見て、『思い切り打つわけにはいかないな、気をつけよう』」と思ったという。
「だけど実際はその逆だった。彼女から点を取りたいなら、他のゴーリーと同じように打たなくちゃならない」
カジゴスは高校卒業後に入れるクラブを探したが、女子チームを持っているクラブはほとんどなく、持っているところも所属しているのは多彩なスキルを持った選手ばかりだった。
そこでフランスアイスホッケー連盟(FFHG)は、18歳以下の女子選手が男子チームに所属することを許可し、ゴールテンダーに関しては、他のポジションほど接触が激しくないことから年齢制限も定めなかった。
それでも1980年代以降、カジゴスのように男子に交じってレベルの高いホッケーに挑む女子選手はほとんどいない。カジゴスは17歳のときにドラッカースに加入し、2部に当たるセミプロのディビジオン1のメンバーと一緒に練習しているが、試合の登録メンバーに入ったことはまだ一度もなく、シーズン中は20歳以下のチームの一員か、ディビジオン3(4部)の控え選手として過ごしている。
だが1月に親善試合ながら初めてプロの試合に出場したことで、カジゴスの存在はフランス中の注目を集めるようになり、カナダのテレビ番組で特集も組まれた。それでもまだ完全なプロではなく、試合に出れば出場給がもらえるが、合計で数千ユーロかかるグローブとパッド、ヘルメットの代金はクラブのスポンサーに負担してもらっている。
将来の目標は学校の先生で、練習の合間には教育学の修士号取得に向けた勉強にも励んでいる。
ドラッカースでコーチを務めるリュック・ショーベル(Luc Chauvel)氏は、「彼女は負けん気と勤勉さをチームにもたらしてくれている。何より、毎日ゴールの前で激しく戦っている」と話す。チームへの溶け込み具合も「ときどき若い女の子が一緒だということを忘れる」ほどで、カジゴスの着替えのために更衣室を仕切りで区切るのを覚えておくように気をつけなくてはならないという。
カジゴスも「男子と一緒にプレーしていて大変なのはそこだけ。ロッカールームに女の子の仲間がいないのは少し寂しい」とこぼしたが、「そこはちょっと不便だけど、今できているいろいろな経験と比べれば、たいした問題じゃない」と話している。(c)AFP/Fanny CARRIER
