【10月11日 AFP】米司法省は10日、原子力潜水艦の設計に関する機密情報を外国に売り渡そうとした疑いで、米海軍の技術者とその妻が逮捕されたと発表した。

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 逮捕されたのは海軍の原子力技術者ジョナサン・トービー(Jonathan Toebbe)と妻のダイアナ(Diana Toebbe)の両容疑者。連邦捜査局(FBI)が9日、ウェストバージニア州で逮捕、夫婦は原子力法違反の罪で訴追された。

 両容疑者は1年近くにわたり「外国機関の代表と思い込んでいた人物に原子力艦の設計に関する機密情報を売り渡していた」が、実際に情報を受け取っていたのはFBIの覆面捜査官だった。

 宣誓供述書によると、ジョナサン容疑者は原潜の原子炉に関する機密情報にアクセスし、ダイアナ容疑者と協力して、暗号通貨(仮想通貨)で約10万ドル(約1100万円)の謝礼と引き換えに売った。

 ジョナサン容疑者は2020年4月、ある外国政府に機密情報のサンプルなどが入った小包を郵送。それをFBIが入手し、覆面捜査官が外国政府の代表を装って2人に接触した。

 2人は数か月にわたり、SDカードをピーナツバターサンドイッチに挟むなどしてFBIの捜査官に渡した。ガムのパッケージやばんそうこうに隠されていたこともあったという。

 2人は12日、ウェストバージニア地区の連邦地方裁判所に出廷する。(c)AFP