【10月10日 AFP】アフガニスタンで実権を握ったイスラム主義勢力タリバン(Taliban)は9日、カタールの首都ドーハで米国の代表団と会談し、政権を「不安定にする」ことがないよう米国側に警告した。直接会談は、米軍のアフガン撤退後初めて。

 直前に起きた自爆攻撃によってタリバンの統治能力がさらに疑問視される中で行われた会談で、タリバン代表は、政権が弱体化すれば「国民に問題」が生じ得ると述べた。

 会談前日の8日、アフガニスタン北部クンドゥズ(Kunduz)にあるシーア派(Shiite)のモスク(イスラム礼拝所)で自爆攻撃が起きた。当時、モスクでは金曜礼拝が行われていた。62人が死亡したほか、多数の人が負傷した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。

 会談後、タリバン暫定政権で外相を務めるアミール・カーン・ムタキ(Amir Khan Muttaqi)氏は、「アフガン政府を不安定に陥れようとすることは誰の得にもならないと(米国側に)はっきりと伝えた」とアフガン国営バフタル(Bakhtar)通信に対し述べた。

 AFPが入手した声明でムタキ氏は、「アフガニスタンと良好な関係を築くのは誰にとっても良いことだ。アフガン既存政権を弱体化し、国民に問題をもたらし得るようなことは何もすべきでない」と語った。
 
 米国務省関係者は、米代表団がタリバンに対し、アフガニスタンをテロの温床とせず、また包括的な政権の樹立や女性や少女の権利を尊重するよう求めるとしていた。会談については、米政府がタリバンによる統治の承認を示すものではないと強調した。(c)AFP