【10月11日 Xinhua News】中国の雲南大学脊椎動物進化研究院の研究チームがこのほど、省内の滇中盆地で約1億9千万年前のジュラ紀前期に属する獣脚類恐竜の足跡化石を発見した。同省で見つかった獣脚類恐竜の足跡化石としては最も大きいものとなる。研究成果は5日、オープンアクセス誌「PeerJ」に掲載された。

 研究チームによると、滇中盆地は恐竜の化石資源が豊富で、恐竜の足跡化石を研究することで、恐竜の歩行の速度や様子、運動能力、社会性、生息環境、地表基質の状態などが推測できる。

 今回、泥岩を基質とするさまざまな岩層から計120個の三趾足(さんしそく、足指が3本の類型)の足跡が発見され、鑑定の結果、全て獣脚類恐竜の足跡と確認された。足跡はいずれもサイズや形態、保存状態が異なり、状態の良い足跡はA、B、Cの3タイプに分類され、うちCタイプは大型となっている。

 これまで雲南省(Yunnan)で発見されている恐竜の骨格化石の大半は竜脚類恐竜のもので、獣脚類は少なかった。研究者は、今回の地点で獣脚類の足跡だけが発見され、竜脚類の足跡が見つからないことについて、ほとんどの獣脚類恐竜が肉食なのに対し、竜脚類は大半が草食性であるから、この足跡があった場所は獣脚類恐竜の活動地点に属し、そのため竜脚類が近づかなかったと推測している。

 研究者は、今回発見された獣脚類恐竜の足跡が雲南省における獣脚類恐竜の多様性や行動、地理的分布などの裏付けとなり、この地域の古生態研究にとって高い価値を持つと説明した。(c)Xinhua News/AFPBB News