【10月9日 AFP】中国は8日、仏上院議員団を率いて台湾を訪問中のアラン・リシャール(Alain Richard)元国防相が台湾を「国」と表現したことについて、中仏関係を損ねると非難した。

 リシャール氏は7日、蔡英文(Tsai Ing-wen)総統から台仏友好への貢献をたたえる勲章を授与された後のスピーチで、仏パリの台北代表処(大使館に相当)は「貴国を代表して優れた働きをしている」と述べた。

 これを受けて中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は8日、「私利私欲に基づくもので中仏関係を損ねる」と非難。台湾を「国」と表現したことは国際慣習に「明らかに違反している」として、フランスに対し「中国の主権と領土を尊重する」よう求めた。

 だがリシャール氏は8日、国際舞台で「チャイニーズ・タイペイ」ではなく「台湾」という名称を使うことを妨げるべきではないと述べた。

 同氏は記者会見で、パリの台北代表処が台湾という名称を使うことができるかどうかという質問に対し、「繊細な外交上の問題だが、私にとって重要なのはこの島、この国の名前が台湾だということだ。この国がその名前を使うことを妨げようとすることに大きな意味はない」と答えた。(c)AFP