【10月8日 AFP】(更新、写真追加)アフガニスタン北部クンドゥズ(Kunduz)のモスク(イスラム礼拝所)で8日、自爆攻撃があり、少なくとも55人が死亡、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。米軍の同国撤退以降に起きたものとしては最悪の襲撃事件となった。

 クンドゥズ州立病院(Kunduz Provincial Hospital)の関係者によると、死者35人と負傷者50人以上が同院に搬送された。国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」が運営する病院の職員は、20人が死亡、多数の負傷者がいると話している。

 イスラム主義勢力タリバン(Taliban)の地元関係者はAFPに対し、今回の事件は自爆攻撃だったと明かし、46人が死亡、143人が負傷したと語った。クンドゥズ市民によると、爆発が起きたのはシーア派(Shiite)のモスクで、信者にとって重要な金曜礼拝の最中だった。

 ISのアフガン分派「イスラム国ホラサン州(IS-Khorasan)」はメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」上のチャンネルで出した声明で、ISの自爆犯がモスク内に集まったシーア派信者の間で「爆弾ベストを起爆させた」と主張した。

 今回の事件は、タリバンの復権により混迷するアフガニスタン情勢のさらなる不安定化を狙ったものとみられる。タリバンと敵対するISは、スンニ派(Sunni)が人口の多数を占める同国で宗派間の対立をあおるため、シーア派に対する攻撃を繰り返してきた。(c)AFP