【11月1日 AFP】94歳のサトゥルニーノ・ロペス(Saturnino Lopez)さんは、毎日早起きしてまきを割り、長い距離を散歩する。ここ、コスタリカのニコヤ(Nicoya)半島は90歳を超える人が1010人も住む、いわゆる「ブルーゾーン(Blue Zone)」と呼ばれる世界でも特に平均寿命が長い5地域の一つだ。

「この年になっても元気なのは、神様が楽に歩ける力を与えてくださっているからだ。1キロでも、4キロでも、問題なく戻ってこられる」とロペスさんは話す。

「ドゥルセノンブレ(Dulce Nombre、甘い名前の意)」という名の村にある自宅は、まるで自然の中の隠れ家だ。

 木やコンクリート、棒と泥などでできた村の家々は緑に囲まれ、辺りにはセミの声が絶え間なく響く。

「日中は、中庭を掃除しなければならないときは掃除をし、まき割りをしなければならないときはまき割りをする。何でもやる」とロペスさんは語った。

■長寿の秘密

「ブルーゾーン」という名は、イタリアの医師ジャンニ・ペス(Gianni Pes)氏が、長寿が多いイタリア・サルデーニャ(Sardinia)島のバルバリア(Barbalia)地方に青色マーカーで地図に印をつけたことに由来する。

 2005年には米誌ナショナル・ジオグラフィック(National Geographic)のフェローで作家のダン・ベットナー(Dan Buettner)氏が、米カリフォルニア州ロマリンダ(Loma Linda)、ギリシャのイカリア(Ikaria)島、日本の沖縄、そしてコスタリカのニコヤ半島でも長寿が多いことを発見した。

 これら「ブルーゾーン」の長寿の秘密は何だろうか。

「主食は米と豆。肉を少し、あとは果物やアボカドを食べる。この食事がいいと言われている」とロペスさん。

 隣人のクレメンティーナ・エスピノサ(Clementina Espinoza)さんは91歳、夫のアグスティン(Agustin Espinoza)さんは100歳だ。2人も同じような食生活を送っている。

 クレメンティーナさんは子どもが18人おり、うち6人よりも長生きしている。歩く速度はゆっくりだが、足取りはしっかりしている。ニワトリに餌のトウモロコシをまき、食事の支度と後片付けをする。