【10月8日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)に住んで18年になる坂口幸太郎さんは、越境電子商取引(EC)支援を手掛ける成都インハナインターネットサービスの総経理として、中国と日本の企業の調整役を担っている。日本企業向けの中国通販サイトへの出店支援や会員制交流サイト(SNS)の運用代行などを展開。これまでに日本の優良企業10社以上の中国進出を支援してきた。

 坂口さんは「多くの日本人は会社から派遣されて成都に来る。でも私は自ら成都に来ることを選び、キャリアを築いてきた」と語る。プライベートでも四川の女性と結婚したと笑顔を見せた。

 2003年に観光で初めて成都を訪れ、すっかり魅了された。翌04年には四川大学に留学。卒業後も成都に残った。

「成都は私にとって第二のふるさと。実家のある東京を離れて初めて長く住んだ都市になる。『わが家』のように感じている」。坂口さんにとって成都は、急成長中のビジネスを手掛ける場所であり、気の合う同僚やサッカー仲間のいる場所でもある。

 より多くの日本人に成都を知ってもらうため、短編動画を作成してSNSに投稿する取り組みも続けている。坂口さんは自ら撮影した成都の風土や人情を日本語で紹介。「一人でも多くの日本人にリアルな成都を知ってもらい、好きになってほしい」と話す。

 越境EC支援を手掛ける中で、日本企業と中国企業の調整役を務めることが多い。日本企業は一般的に仕事のテンポが「スロー」で、企画立案だけで何年もかかることがある。一方、中国企業は仕事のテンポが「スピーディー」で、どんどん進んでいくため「私たちが『スピーディー』と『スロー』の間で調整し、交流と協力を促す必要がある」という。

 坂口さんは「これからも日本の良い商品を成都に広めていきたい。成都の良い商品も日本に紹介していければ」と話している。(c)Xinhua News/AFPBB News