【10月7日 AFP】ロシアで6日、新型コロナウイルスによる1日の死者数が初めて900人を超えた。同国は、感染力の強い変異株「デルタ株」のまん延と低いワクチン接種率により、感染拡大を抑えられずにいる。

 政府の統計によると、過去24時間の死者数は929人で、流行開始後で最多となった。累計死者数は欧州で最多、世界で5番目に多い21万2625人となっている。ワクチン接種が滞る中、感染者数は8月以降増加し、750万人を超えている。

 ロシアでは数か月前から複数の国産コロナウイルスワクチンが利用可能となっているが、国民の間ではワクチン懐疑論が根強く、当局は接種を進められずにいる。独立系機関の世論調査では、国民の半数以上が接種を受けない予定だと回答。国内各地の新型ウイルス関連データを収集するウェブサイト「gogov.ru」によると、6日時点でワクチン接種が完了したロシア国民は30%に満たない。

 感染者数が増加する中、実質的な感染拡大抑制策は取られていないが、数州では公共の場へ入るためにQRコードの提示を求める措置が再導入された。一方、感染の中心地であるモスクワでは、今のところ制限措置は取られていない。当局によると、モスクワでの新規感染はすべてデルタ株によるものとなっている。

 独立専門家は、ロシア当局が流行の深刻さを軽視していると非難している。ロシア連邦統計局(Rosstat)が8月に行った発表によると、広義での新型ウイルス関連死者は35万人以上に上る。(c)AFP