【10月6日 AFP】米カリフォルニア州の沖合で、パイプラインが破損し大量の原油が流出した問題で、現地メディアは5日、船のいかりの接触が原因になった可能性があるとして、沿岸警備隊が調査していると報じた。

 緊急対応当局によると、先週末にパイプラインが破損して以降、アザラシやイルカ、クジラが生息する海域に最大50万リットルの原油が流出。同州で発生した中ではここ数十年で最大規模となり、当局が油の回収作業を急いでいる。

 現地紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)は5日、沿岸警備隊が、民間の大型船舶が規定以外の場所でいかりを下ろさなかったかどうか調べていると伝えた。

 パイプラインを運営するアンプリファイ・エナジー(Amplify Energy)のマーティン・ウィルシャー(Martyn Willsher)最高経営責任者(CEO)によると、海中を調査した結果、パイプラインが1.2キロにわたって本来あるべき位置からずれていることが判明。

 ウィルシャー氏は記者会見で「元の場所から最大105フィート(約30メートル)離れている」と明かし、またパイプラインが破損しているのは、パイプが曲がり、角ができた部分だと説明した。

 同氏はパイプラインが移動した理由や、船のいかりが原因となった可能性については臆測を避けた一方で、「パイプラインは16インチ(約40センチ)のスチール製で、厚みは0.5インチ(約1.3センチ)あり、1インチ(約2.5センチ)のコンクリートで覆われている」として、「それが105フィートも移動するのは、よくあることではない」と指摘した。

 ロサンゼルス・タイムズ紙は、当局の調査に詳しい関係者の話として、規定以外の場所に下ろされたいかりがパイプラインを引きずった可能性に言及している。(c)AFP