【10月7日 People’s Daily】最先端技術に焦点を当てた2021年世界インターネット会議「インターネットの光」博覧会が9月25~28日、中国浙江省(Zhejiang)嘉興市(Jiaxing)烏鎮で開かれた。中国と海外の企業約300社が参加し、人工知能(AI)やビッグデータ、インターネットセキュリティーなど分野の最新製品を展示した。

 通信機器大手の華為(ファーウェイ、Huawei)の展示エリアではスタッフがスマートフォンを使い、同社が独自開発した基本ソフト(OS)「鴻蒙(Harmony)」によってパソコン、テレビ、ステレオと素早く接続するスマート技術を紹介。大会上で、「世界インターネット先進科学技術成果」に選ばれた。

 広々とした車内と開放的な視界、そして運転席のない無人運転は多くの注目を集めた。周囲の360度の環境を感知する機能に加え、音声対話機能や自主回避、車道切り替え、追い越し、駐車機能を備えている。

 AI技術は人類の生活に変革をもたらすとともに、新たな悩みももたらしている。瑞莱知恵科技有限公司のスタッフは「AIが人の顔をねつ造してインターネット詐欺を行ったり、虚偽の宣伝をしたりすることが容易になった」と話す。同社の展示エリアでは、画像や映像の真偽を迅速かつ正確に確かめる技術を紹介。個人の名誉を侵害する行為の自動識別や顔認識システムの安全性向上に貢献していることを紹介した。

 通信機器大手の中興通訊(ZTE)の展示エリアでは、来場者の女性がジャンケンのジェスチャーを行うと、後方の大画面にグー、チョキ、パーと手を変えて3人分の同じ女性の映像が登場。バーチャル空間でリアルタイムの映像制作を行う技術で、スタッフは「メディア産業のデジタルトランスフォーメーションに力を発揮します」と語った。

 中国版LINE「微信(WeChat)」のミニプログラム「国宝グローバルデジタル博物館」を開くと、各地の博物館が所蔵する中国の文化財約300点が眼前に現れ、360度どこからでも鑑賞できる。微信を運営するIT大手、騰訊(テンセント、Tencent)の展示エリアでは、こうした創造的技術が来場者の足を引き止めていた。スタッフは「没入型クラウドブラウザ技術を採用しており、ユーザーはミニプログラムを開きさえすれば、家にいながら北京の故宮や敦煌(Dunhuang)の莫高窟を訪れているような体験ができます」と話す。

 大手スパコン企業の中科曙光は、シリコンキューブ全没入型相変化液体冷却技術を採用したコンピューターを展示。スタッフは「従来の方式を打破する創造的な没入型液冷技術を採用しています。これによりエネルギー消費を抑えるとともに、AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどのアプリケーションをサポートし、科学的探求や産業のアップグレードに貢献します」と説明。既に気象予報などの領域に活用されているという。

 通信大手の中国電信(China Telecom)の展示エリアでは、来場者が5Gスマートショベルカーの操縦室に入り、遠隔運転を疑似体験した。鉱山の採掘作業でスマート化、無人化を実現し、作業効率を向上させるという。

 広州市(Guangzhou)の情報技術企業で総経理を務めるパキスタン人のウスマンさんは「中国ではインターネット技術が経済、社会の各方面で活用され、人々との生活を向上させているとよく分かった」と感銘を受けていた。(c)People’s Daily/AFPBB News