【10月6日 AFP】世界気象機関(WMO)は5日、2050年に世界で50億人以上の水の確保が困難になる恐れがあるとの予測を発表し、今月末から開催される国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で対策を講じるよう各国首脳に求めた。

 WMOの最新報告によると、2018年にはすでに36億人が1年に少なくとも1か月間、水を十分に確保できない状態にあった。

 WMOのペッテリ・ターラス(Petteri Taalas)事務局長は「迫り来る水危機に警戒する必要がある」と述べた。

 WMOの報告書「気候サービスの現状(The State of Climate Services)」2021年版は、今月31日から11月12日まで英グラスゴーで開催されるCOP26を前に発表された。

 WMOは過去20年間で地表水、地下水、雪や氷を含めて陸地に蓄えられている水の量が1年に1センチの割合で減少している点を強調。最も多くの水が失われているのは南極とグリーンランド(Greenland)だが、人口の多い低緯度地域の多くでは、昔から水を供給してきた地域で大幅に水が減っているという。

 WMOによると、地球上の水のうち使用可能な淡水はわずか0.5%で、水の安全保障に大きな影響が生じる。ターラス氏は「気温の上昇は、世界的および地域的な降水量の変化をもたらし、降雨パターンや農耕期の変化にもつながり、食糧安全保障や人間の暮らし、健康に大きな影響を与える」と警告した。(c)AFP/Robin MILLARD