【10月6日 AFP】ロシア南西部サラトフ(Saratov)にある刑務所の診療所内であった性的虐待行為を撮影したとされる動画が公開されたことを受け、同国の当局は5日、調査を実施すると発表した。

 ロシア各地の刑務所に情報源を持つ活動家団体「グラグ・ネット(Gulagu.net)」は、国内の複数の刑務所で行われた虐待行為を撮影したとされる動画1000本以上を入手。4日夜に公開した映像には、サラトフにある刑務所内の結核患者を治療する診療所で、裸の男性が棒のようなもので暴行を受ける様子が捉えられていた。男性はベッドに縛られ、痛みのあまり叫び声を上げている。

「グラグ・ネット」を運営するフランス在住のウラジーミル・オセチキン(Vladimir Osechkin)氏はAFPに対し、サラトフの刑務所で服役していたベラルーシ人の男性から一連の動画を入手したと説明。動画は刑務所の機器を使って録画されたもので、男性は釈放された翌月の3月以降、一連の動画ファイルを提供し続けているという。

 ロシア連邦刑執行局(FSIN)は5日、動画内の「情報の正確性を確認する」ため、職員をサラトフに派遣したと発表。国営ロシア通信(RIA)によれば、同日には検察当局も、サラトフでの受刑者の処遇について調査を開始した。その後、民営インタファクス(Interfax)通信は関係筋からの情報として、FSINのサラトフ支部長が辞表を提出したと伝えた。(c)AFP