【10月6日 AFP】アフガニスタン北部クンドゥズ(Kunduz)州にある一部の高校で、女子生徒の就学が再開したことが、イスラム主義組織タリバン(Taliban)政権関係者や教師の話により5日、明らかになった。しかし国内の多くの地域では、女子生徒が今も高校通学を認められていない。

 タリバン政権はまた、一部の女性公務員に対し、復職と未払い賃金の支払いを約束。政権掌握から50日が経過する中、世間のイメージを和らげる狙いがあるとみられる。

 カタールの首都ドーハ駐在のタリバン報道官で、新政権の国連(UN)大使に指名されているスハイル・シャヒーン(Suhail Shaheen)氏はツイッター(Twitter)に、黒い服を着た女子生徒数十人が椅子に座ってタリバンの旗を振っている姿を映した動画を投稿し、「クンドゥズ州のカーンアバド(Khan Abad)地区では、女子が高校に通っている」とコメント。動画では、白いスカーフを頭に巻いた生徒のほか、顔を覆う黒いベールをかぶった生徒も見受けられた。

 州都クンドゥズ市にある学校の校長がAFPに語ったところによると、イマムサヒブ(Imam Sahib)地区の高校では女子生徒が授業に復帰。同市の別の教師も、女子生徒が高校通学を再開したと語っている。

 しかし教育省のムハンマド・アビド(Mohammad Abid)氏は5日、AFPに対し、首都カブールではタリバン政権による方針変更はなく、「高校はまだ女子生徒には閉ざされたままだ」と述べた。

 1996年から2001年までの間、残忍で抑圧的な支配を行ったことで知られるタリバンは、政権復帰後、国民の自由を徐々に奪うとともに、女性を教育や仕事の場から実質的に排除し、国際社会の怒りを買っている。タリバンは当初から女子の小学校通学を認めているものの、中等教育に関しては女子生徒も女性教員も復帰を許されていない。

 タリバンは、女子生徒の安全が確保され、シャリア(イスラム法)の厳格な解釈に基づく完全な男女別学が実現すれば、女子生徒の高校復学が可能だとしている。(c)AFP