【10月17日 AFP】メキシコ南部の高地で昔ながらの機織りをしている先住民は、ファッション業界が彼らの作品や伝統を世界中で横取りしているとして、理不尽な商慣行をなくし正当な評価を得ようと努力している。

 メキシコは先月、独立200周年を迎え、スペインによる植民地支配に抵抗した先住民もたたえられた。そうした中で、伝統的な織物に公正な評価を求める取り組みは重要性を増している。

 チアパス(Chiapas)州の町、シナカンタン(Zinacantan)にあるフリア・ペレス(Julia Perez)さんの家の中庭では、女性たちが毛布を敷いて座り、昔ながらのやり方で鮮やかな多色使いの布地を織っている。

 色や柄のデザインは「伝統と自分たちのアイデアを合わせています。私たちの伝統、文化、そして布が失われないように」と職人の女性(39)は語った。

 女性たちは陽気に屈託なく作業しているが、機織りはかなりの器用さが求められる複雑で手間のかかる作業だとペレスさんは言う。

 自分たちの作品の時代性と創造性を認識するようになったのは、二人の女性、ドゥルセ・マルティネス・デ・ラ・ロサ(Dulce Martinez de la Rosa)さんとダニエラ・グレミオン(Daniela Gremion)さんと出会ってからだ。二人は都会育ちだが、メキシコの伝統芸術を支援するプロジェクト、「ファブリカ・ソシアル(Fabrica Social)」を率いている。