【10月5日 AFP】マレーシアのボルネオ(Borneo)島北部サバ(Sabah)州で、絶滅危惧種のアオウミガメ11匹が殺されているのが見つかった。水上生活を送る漂海民が食用目的で捕殺した疑いがある。当局が4日、明らかにした。

 野生動物保護当局の職員が1日、同州センポルナ(Semporna)の近くをパトロール中に死骸を発見した。

 同局のオーガスティン・トゥウガ(Augustine Tuuga)局長は、現場ではウミガメのものとみられる肉が入った袋やこんろ、ナイフが見つかった。容疑者の捜索が続けられているが、逮捕には至っていない。

 マレーシアでは、保護の対象となっているウミガメの捕殺は違法とされ、禁錮刑と罰金刑が科される。

 同局によると、同地域でのこうしたウミガメの捕殺は、ボルネオ島沖の船で暮らすことが多い漂海民「バジャウ(Bajau)人」によるものがほとんどだという。

 アオウミガメは密漁者に狙われたり、漁具に引っ掛かったり、卵を採取されたりとさまざまな脅威に直面しており、国際自然保護連合(IUCN)がまとめた「レッドリスト(Red List)」で絶滅の危険が高い「危機(EN)」に分類されている。(c)AFP