【10月6日 People’s Daily】中国生態環境省は9月23日、中国西南部の雲南省(Yunnan)昆明市(Kunming)で10月から開かれる第15回生物多様性条約締約国会議(COP15)の準備が順調に進んでいると説明した。

 COP15は10月11~15日と2022年前半の2期に分かれて開かれる。会議の事務局を担う崔書紅(Cui Shuhong)生態環境省自然生態保護局長は「国際社会の生物多様性保護の経験を結集し、今後10年間の生物多様性のグローバルガバナンスの青写真を描く」と抱負を述べた。

 COP15のテーマは「生態文明(エコ文明):共に地球生命共同体を建設する」。黄潤秋(Huang Runqiu)生態環境相は「このテーマは、人と自然は生命の共同体であり、中国が国際社会と協力して生物多様性を守る自信と決意を表している」と語った。

 第1期会議では首脳スピーチ、ハイレベル会合、一般討議を行い、「地球生態文明を共に構築し、生物多様性を保護する」という「昆明宣言」を発表する。10月14、15日には会議と並行したイベントとして、各国のゲストを招いた「生態文明フォーラム」も開催する。

 11月に英国で開かれる第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)との相乗効果を図るため、ハイレベル会議では4つのラウンドテーブルを開催する。その1つは生物多様性や気候変動、土地の劣化などの環境問題に焦点を当てる。

 中国は世界で最も生物多様性が豊かな国の一つとして、「愛知ターゲット」の実施に真剣に取り組んでいる。2010年に愛知県名古屋市で開かれた第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)で各国に求められる行動が20にまとめられ、中国の実施状況は世界平均を上回っている。

「国宝」のパンダは頭数が増加したことで「絶滅危惧種」から「危急種」に格下げされた。「ほほ笑みの天使」と呼ばれる長江(揚子江)のヨウスコウイルカは頻繁に姿を見せるようになり、チベットカモシカも頭数が大幅に増えた。こうした明るいニュースは中国における生物多様性保護の着実な成果を反映している。黄潤秋生態環境相は「昆明でCOP15が開催されると決定したことは、まさに中国の生物多様性保全活動が国際社会で広く認知された証しと言える」と強調。今回の会議では二酸化炭素(CO2)を吸収する森林を増やすことにより、カーボンニュートラル(CO2排出ゼロ)の実現を目指すことも報告される。(c)People’s Daily/AFPBB News