【10月5日 AFP】デンマークのヘレ・トーニングシュミット(Helle Thorning-Schmidt)元首相(54)が、4日に同国メディアに公開された回顧録の抜粋で、昨年死去したフランスのバレリー・ジスカールデスタン(Valery Giscard d'Estaing)元大統領に体を触られたことを告発した。

 トーニングシュミット氏は回顧録で「隣の席に座っていたジスカールデスタン氏が、テーブルの下で私の太ももをつかんだ。とても正気とは思えなかった。私は何が起きているのか自問し、席を替えて事は終わった」と振り返った。

 両氏は2002年か03年、デンマークの首都コペンハーゲンにあるフランス大使館で開催された夕食会に出席していた。

 トーニングシュミット氏はデンマークのリツァウス(Ritzau)通信に対し、「今であればセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)と見なされただろうが、当時はそうではなかった。時代は違ったが、私は不適切だと思い、あの状況に強い怒りを覚えた」と語った。

 同氏は欧州議会(European Parliament)議員を経て、05~15年には社会民主党党首、11~15年にはデンマーク初の女性首相、16~18年には子どもの権利保護団体「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」事務局長を務めた。

 セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」が世界で広がっているが、デンマークでは昨年始まったばかり。(c)AFP