【10月5日 AFP】サッカー元韓国代表の朴智星(Ji-Sung Park、パク・チソン)氏が、イングランド・プレミアリーグの古巣マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のサポーターに対し、韓国人選手への攻撃的なチャントをやめるように訴えている。

 朴氏は現役時代にユナイテッドの本拠地オールド・トラフォード(Old Trafford)で7年間プレーし、同クラブのファンが応援歌を作ってたたえるほどの高い人気を誇っていた。

 現在も歌い継がれているそのチャントには、犬の肉を食べる韓国人の習慣をおとしめるような歌詞が含まれており、現在40歳の朴氏はサポーターに対し、その言葉(犬の肉)が現在は受け入れられない理由を学んでほしいとしている。

 ユナイテッドファンは8月、ウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(Wolverhampton Wanderers)に新加入した韓国人ストライカーの黄喜チャン(Hee-Chan Hwang、ファン・ヒチャン)に対し、敵地モリニュー・スタジアム(Molineux Stadium)で犬肉チャントを浴びせる場面があった。

 このことで問題を提起する必要性に迫られた朴氏は、ユナイテッドのポッドキャスト番組「UTDポッドキャスト」で、「あの歌を聞いた彼を本当に気の毒に思う」とし、「ユナイテッドファンが、あの歌に関して何ら悪意がないのは分かっている。しかし、現在では韓国人にとって人種差別的なあの言葉(犬肉)をやめるように教えなければならない」と語った。

 さらに「特にあの言葉は、韓国の人々にとってかなり不愉快なものであり、あのような歌を聞かされた若い世代に対して、とても気の毒に感じている」とし、「韓国では物事が大きく変化している。われわれが犬の肉を食べていた歴史は事実だが、特に今の若者世代は本当にそれを嫌っている。文化は変わった」と述べた。

「ファンがあの言葉を歌うのをやめるように心からお願いする。韓国の人々は、あの歌を聞くと非常に不愉快になる。もうやめる時期だ」

 朴氏は2005年にオランダ・エールディビジのPSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)からユナイテッドに加入し、公式戦に200試合以上出場して通算4度のリーグ制覇を経験したほか、2007-08シーズンには欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇も達成した。

 また、韓国代表としては計100キャップを記録し、3度のW杯(World Cup)出場も果たしている。(c)AFP