【10月5日 CNS】5Gが推進途上の中、6Gの探索はすでに始まっている。「Nikkei Asia」の先日の発表によると、6Gの特許出願件数では、中国が40.3%で世界トップとなっている。

 先日開催された「2021年6Gシンポジウム—6Gビジョン展望」で、工業情報化部の韓夏(Han Xia)チーフエンジニアは、2030年の商用化に向けた6Gはまだビジョン需要の研究と概念形成の段階にあり、6G技術の方向と方案は模索中だと述べた。同部は6G革新発展を全力で推進し、6Gネットワーク技術の備蓄を前向きに配置していく。

 世界の5G商用の規模化は急速に進んでおり、統計によると、世界の5G商用ネットワーク数は176に達している。中国の5G商用化から2年で、ネットワーク構築、ユーザー市場、融合応用、標準策定に関する研究開発などは急速に進展している。中国は世界最大規模の5Gネットワークを構築し、今年8月時点で、5G基地局は103万7000基に達し、世界の70%以上を占めた。5G端末の加入者数は4億人を超え、世界最大のユーザー数となっている。5G応用イノベーション事例は数万件に上り、特にメディア、医療、交通、教育などの分野で標準的な応用例を形成した。

 移動通信の10年で1世代の発展規律に合わせ、6G研究開始のタイミングを迎えた。しかし韓氏は、5Gの商用化の成功で6Gの発展基盤を固める必要があると強調した。

 中国通信標準化協会の副理事長兼秘書長の聞庫(Wen Ku)氏は、6Gの発展には、6G技術の事前研究と同時に、5G商用化および5G-Aの進化を着実に進め、6Gの発展基礎をしっかりと固める必要があると述べた。

 韓氏によると、5G商用化の推進と6G研究レイアウト間の接続関係を正確に把握し、その調和と相互促進の発展を推進するには、5Gネットワークの展開と大規模な応用を全力で推進し、6Gの発展のために良好な基盤を築く必要もあり、現在の5Gでは対応しにくい応用の方向性を深く分析してまとめ、6Gの潜在的ビジネスシーンを明確にしていくことで、6Gビジョン需要の形成・整備につなげていく必要もある。

 6Gの革新発展をいかに推進するのか?まず、6Gの潜在コア技術の研究を深く進める必要がある。チップや新材料などの支柱産業の発展レイアウトを最適化し、サプライチェーン協同発展の良好な環境を形成する。また、世界の6G推進組織、各種企業、大学、研究機関間の交流・協力を強化し、世界統一の6G標準の形成を推進すると、韓氏は指摘した。

「一般的に効果、価値があると思われる6G潜在技術の方向性について、理論研究のほか、ハードウエアのテスト検証、テスト試験機の開発、商用試行など産業化に向けた研究を行い、継続実践で技術性能を検証していく」と、聞氏は述べた。

 IMT-2030(6G)推進グループのリーダーで中国情報通信研究院副院長の王志勤(Wang Zhiqin)氏は、基礎技術、複合領域交差技術などの研究を強化し、低中高周波数帯の効率的な利用、衛星、高高度プラットフォームなどの非地上移動通信ネットワークとの融合、社会、産業応用との協同革新を実現する。特に、世界統一の6G国際標準を守り、国際標準の分断を避ける必要があると指摘した。

 6Gで何ができるのか?専門家は、5G時代の全てのモノがつながるモノのインターネット(IoT)は6G時代の全ての知能がつながるインターネット・オブ・エブリシング(IoE)への飛躍に向かうと考えている。(c)CNS/JCM-経済日報/AFPBB News