【10月4日 AFP】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は自社サービスが憎悪をあおり、子どものメンタルヘルス(心の健康状態)を害していると認識していたとする社内文書を流出させた内部告発者が3日、米テレビ番組に実名で出演し、「安全よりも利益を優先」していると同社を非難した。

 アイオワ州出身のデータサイエンティスト、フランシス・ハウゲン(Frances Haugen)氏(37)は、CBSの報道番組「60ミニッツ(60 Minutes)」のインタビューで身元を明かし、グーグル(Google)やピンタレスト(Pinterest)などさまざまな企業で働いてきたがフェイスブックほど「相当に悪い」例は見たことがないと語った。

 ハウゲン氏はフェイスブックについて、「安全よりも利益を優先することを繰り返し示してきた。報酬を払って私たちの安全を犠牲にし、利益を得ている」と述べ、同社は規制されるべきだと訴えた。

「現在のフェイスブックは、私たちの社会を引き裂き、世界中で民族間の暴力を引き起こしている」

 フェイスブックは、ハウゲン氏が身元を伏せて米議員や米誌ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に送った内部文書をめぐって激しい非難にさらされている。文書には、フェイスブックがインスタグラム(Instagram)などの自社サービスについて、特に体の写真をめぐって少女たちに害を及ぼしていると認識していたことが詳細に記されていた。

 ハウゲン氏は番組で、フェイスブックのニュースフィードのアルゴリズムが反応の多いコンテンツ向けに最適化されていることを説明した。

 同氏によると、フェイスブックの独自調査では「人々の怒りを刺激するのは、他の感情を刺激するよりも簡単だ」との結果が出ていた。

「フェイスブックは、アルゴリズムを変更して安全性を高めれば、人々のサイト滞在時間が減り、広告クリック回数も減り、収益も減少することを理解していた」とハウゲン氏は指摘した。(c)AFP