【10月3日 AFP】フランスの元閣僚で実業家のベルナール・タピ(Bernard Tapie)氏が3日、死去した。78歳。家族が仏紙ラ・プロバンス(La Provence)で発表した。タピ氏は、がんで4年にわたり闘病生活を送っていた。

 タピ氏はスポーツ用品大手アディダス(Adidas)の元オーナーで、仏サッカーリーグ1のクラブチーム「オリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)」が欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)優勝を果たした当時の会長としても知られる。

 ドミニク・タピ(Dominique Tapie)夫人と家族は、「夫であり父であったベルナール・タピが3日に死去したことを、深い悲しみと共に発表する」と述べている。また、息子のステファン(Stephane Tapie)氏は、インスタグラム(Instagram)に「さようなら、私の不死鳥」と投稿した。

 家族によると、タピ氏本人は「心のふるさと」であるマルセイユ(Marseille)に埋葬されることを希望していたという。

 パリの貧しい家庭に生まれたタピ氏は、フランスで最も成功した著名な実業家の一人となった。政界にも進出し、1990年代には社会党のフランソワ・ミッテラン(Francois Mitterrand)内閣で都市問題担当相に就任。その後、国民議会(下院)議員や欧州議員を務めた。

 しかし、1990年代後半、仏サッカー界を揺るがす八百長スキャンダルに関与したとして有罪判決を受けて収監され、タピ氏の築いた帝国は崩壊した。(c)AFP