【10月14日 AFP】フランスの原子力発電所は、三つのバリアーで安全の確保が図られている。

 原子炉容器内の炉心には、ウラン燃料を被覆管の中に積み重ねた燃料棒が集まっている。

 第1のバリアーは、この被覆管だ。核分裂により熱が発生する。炉心は管を循環する水で冷やされる。水は300度の高温になる。これが1次冷却系だ。

 第2のバリアー。加圧されて液体の状態の水が、蒸気発生器へと送られる。

 1次冷却系の管を熱水が流れることで熱が伝わり、2次冷却系の水が蒸気になる。

 この蒸気で回したタービンがオルタネーター(交流発電機)を回転させ、発電する。電気は発電所から超高圧送電網によって運ばれる。

 タービンを回した蒸気は再び水になり、蒸気発生器へと戻されるサイクルを繰り返す。

 蒸気は復水器を通って再び液体になる。復水器の冷却には海や川の水や、冷却塔の内部を流れる空気が使われる。

 最後、第3のバリアーは格納構造物だ。出力900メガワット級の発電所では1層の、1300~1450メガワット級では2層のコンクリート壁でできている。

 一般的には「原子炉格納容器」と呼ばれ、1次冷却系の主要部が納められている。(c)AFP