【10月2日 AFP】南米ベネズエラは1日、通貨単位を100万分の1に切り下げるデノミネーション(通貨呼称単位の変更)を実施した。通貨は「ボリバル・ソベラノ」からゼロを六つ減らした「ボリバル・デジタル」に切り替わった。同国はハイパーインフレに見舞われており、商取引の簡素化が狙いとみられる。

 ベネズエラがデノミを実施するのは13年間で3回目。2008年以降、南米最多となる14桁を切り下げている。

 中央銀行は「自国通貨で表示されるすべての金額は、100万分の1になる」と発表した。

 ベネズエラはかつて豊かな産油国だったが、景気後退が8年続き、この4年間はハイパーインフレに苦しんでいる。中銀によると、インフレ率は2019年に9500%以上、2020年に約3000%を記録した。

 経済関連のコンサルタント会社、エコアナリティカ(Ecoanalitica)は、2021年のインフレ率が1600%前後になると予測している。

 政府は5月、月額最低賃金を3倍に引き上げたが、肉1キロさえ買えない額だった。

 最近の調査によると、国民の4人に3人が極度の貧困状態にある。米国による経済制裁や新型コロナウイルスの感染拡大によって経済危機が深刻化し、ここ数年で数百万人が国を離れている。(c)AFP/Esteban ROJAS